タスク管理の限界を超えて(その2)
もう一つタスク管理の限界について、さがっとさんのツイートでみかけた「タスク管理では、タスクが時間内に処理できないということが分かるだけ(意訳)」ということに関しては、タスク管理を「与えられたタスクを処理するだけ」で考えるならば、確かにさがっとさんの言うとおりだと思います。
すでに脱出したから分かるのですが、「どうやったら残業80時間とか、100時間とかから抜け出せるんだ〜」という状態になってる場合、タスク管理ではどうにもならないんだぜ。。タスク管理やると、「この仕事量だと、定時で帰るのは無理だ」ということが分かるだけなんだぜ。。
— さがっと (@sagattosaga) 2018年6月2日
ここで二つの方向性があります。一つは、タスクそのものをタスクではなくしてしまいます。これは、うさぼうさんのリツイートにあった転職や職種変更など、その処理できないほどのタスクがある環境から抜け出すというタスクを優先するものです。
残業は個人の意識の問題だけではなくビジネス構造や組織文化にも原因があるので、タスク管理という打ち手だけではどうにもならないこと意識しておくといいと思う。自分の場合は
— うさぼう (@usabo_tweet) 2018年6月3日
・転職
・職種変更
で一気に残0になった経験がある。ただし残0になればいいってもんでもない、それはまた別途。 https://t.co/ImIzo9cZQI
もう一つの方向性として「時間内に処理できるタスクにする」ということです。80%や60%の完成度で終わらせて、やり直しを前提として終わらせる。このあたりは、中島聡さんの著書「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」が参考になると思います。他に例を挙げると、
- 最速でいったん形にしてしまってから、余った時間でゆっくりと100点を目指して改良を続ける(石膏像を彫るとき、「眉毛」から始める人はいない)
- 仕事の提出を前倒しするのではく、仕事の取り掛かりを前倒しする(降りかかるタスク絶対量の調整)
- 時間に余裕があるときにこそ全力疾走で仕事し、締め切りが近づいたらながす(時間に余裕があるときにこそ、7つの習慣でいうところの第二領域(緊急じゃないけれど重要なこと)に手をつける)
- タスクの見積りをするための調査期間をもらうのとスケジュールの見直しを交渉する
最後の期限を延ばす交渉は、タスクによっては外部要因で期限が切られるものもあって、「それができたら苦労はしない」と言われそうですので、このあたりをどう切り抜けるかが今後の課題です。
いずれにしろ、タスク管理の醍醐味は、与えられたタスクをいかにうまくこなすかより、自分独自の切り口でタスクを創り、それを実現させて、成果を出すことだと思います。チャンスに限らず、「タスクは与えられるものではなく、創り出すもの」と考えると、タスク管理が面白くなるものです。いみじくも前書の中で中島聡さんが説かれたように『タスクリストは「書くもの」ではなく「描くもの」』なのですから。